四角いカードを並べて
だんだんと線になり形が現れる・・
「カードでパフォーマンス」
10月の活動です。
テーブルがホワイトボードなので
カードで足りない部分を絵で描きました。
5歳児4名だったのですが
楽しげに全員描いたのが
その晩、録画していた劇場版のアニメを観て
残酷な描写が多いことに、だいぶ驚いてしまいました。
そもそも暴力、残虐シーンを見ると
私の場合、その日の夢に出てくるので
映像でも小説でも苦手です。
子どもたちのヒーロー、ヒロインのようだけれど
大丈夫なのかな、と少し心配になりました。
どんな感じなのか何人かの保護者とお話しをしました。
「うちの子は怖くて残虐シーンは見れない。」
また「兄妹愛、家族の絆、友情に溢れる場面があるので
子どもと一緒に泣いてしまう。」など
観ている様子を伺いました。
今年の春先から子どもたちは目に見えないコロナから
生活も心の中も抑圧された状態にあると言えるでしょう。
友達と話をしたり、遊ぶことさえ制限がかかっています。
「なんでなの?」「どうして?」と
理不尽さをそれぞれに抱えているのだと思います。
抑圧されストレスになり、力が貯まります。
発散しきれない自分の代わりに
力の限り闘うヒーローに
想いを託しているのかなと。
河合隼雄(臨床心理学)は
その著書「子どもと悪」(岩波書店1997年)で
作家、田辺聖子の女学生時代のエピソードをあげています。
お金に充分余裕があるのに
本屋に行くと万引きしたい!という
「悪」の気持ちに強くかられ苦しんだそうです。
小説を書くようになって、その盗みをしたい!という
気持ちがスッと無くなったと。
子どもが抑圧されたパワーを「悪」に向けるのか
それとも「表現」に向けるのか。
ストレスを抱える子が課題無しで自由に絵を描くと
残酷な描写が出てくることがしばしばあります。
けれども実際にその子が暴力を奮っている、という例を
私は今のところ知りません。
「絵を描く」という表現、行為の中で
自らを浄化させ、納めているように感じます。
描き終わった後に、顔がすっきりしていることが多いです。
(勿論、絵に描いているから心配ない、という訳ではありません。)
映像を観る、という受け身の行為のようであっても
同じような効果があるのかもしれませんね。
キッズコース(小学生2年以上のクラス)は今
絵本に取り組んでいます。
(「おむすびころりん」を基にした各自のオリジナル版)
主人公は誰でも良い、ということに設定しています。
やはり何人かは鬼滅キャラが出てきます。
真剣に絵と向かい合って
口数もいつもの半分以下。
絵が苦手と言っていた子が
炭治郎のお陰で
ずいぶん画力がアップしました。
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コロナは手強く、まだまだ続きそうです。
子どもたちを放っておかず、否定せず
見守る姿勢でいたいなと思っています。
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追記>
「うちの子、なんでこんなんだろう〜。」
と悩んでいる保護者。
先の河合隼雄の「子どもと悪」
お勧めします。
(私はだいぶ救われました。)