お絵描きにも勉強にも、普段からよく使う鉛筆。
同じ一本の鉛筆だけで、様々な表現ができます。
まずは鉛筆削りから。カッターナイフを使った削り方を練習。
カッターの軸ではなく刃の背の部分を親指で押します。
初めての人はゆっくりと丁寧に、数をこなせばスムーズに削れます。
今回の鉛筆の活動は、全3回で一つとなる予定です。
1日目は濃淡とタッチがテーマです。
全員同じ4Bの濃さの鉛筆を使用し、筆圧で濃淡を表現する練習と
線の密度で濃淡を表現する練習を行いました。
筆圧と密度、2つの方法で濃淡を表現する技を身につけてもらうことが目的です。
2日目は多視点で描こう!がテーマです。
見方を変えれば形が変わることをお話しし、スタートです。
黒板に、まずは一番の上の丸を描き、次に長方形を描き、何を描いたでしょう~?
ほとんどの人はすぐにはわからず、三番目に描いた斜め上からの絵で、あ~なるほどね。と納得。
(話しながら描いた絵が下手で伝わらなかったわけではなく、こっそりと安心しました。)
アトリエにあるものから好きなものを選び、正面、横、上から、下から、斜めからと
同じモチーフを色んな視点から見たそれぞれの形をどんどん描いていきます。
はるねさん(中2)はゴジラ人形に挑戦。1視点だけでも大変ですが、頑張ります。
さくらちゃん(小5)の踊っているようなスプレーボトルとミニチェア。
見たままを描く、というのは実際には難しいもので、
どうしても頭の中で想像しているもの(固定概念など)が邪魔をし、見たままの形を描けないことも多いです。
なので導入の際に、あえてテープをそれと見えない視点から描き、”らしく描く”ではなく”見たまま描く”ということを理解してもらいました。
りんさん(中3)の穴あけパンチ。形をよくとらえられていて、線のみの表現でも立体感がよくでています。
ひなたちゃん(小6)のデッサン人形。賑やかでお祭りのような面白い表現。
同じポーズを多視点で、ではありませんが、様々なポーズを描くことが楽しめています。
りおちゃん(小5)のローラー
最初から立体的に見える視点で描くのは難しいですが、正面、真上、真横と
平面的に見える視点から描くことによって、最後には立体的に見える視点からも描くことができました。
ゴジラも肌のごつごつまで描くのはもはや修行です。描写力だけでなく忍耐力も上がりそう。
前回の濃淡と今回の多視点は、どちらも立体表現への段階的なアプローチです。
次回、それらを合わせるとどんな表現ができるでしょうか。
<瀬戸口 美紀>