1996年5月
お絵描き工作好きの
近所の子ども達
それに協力してくれたお母さん方の協力で
キッズクラフトがはじまりました。
20年間で何回かの場所の移転を経験してきました。
絵画教室ネットワークGa-netの
事務局をしていることから
いろいろな絵画造形教室を
取材訪問させてもらっています。
「自分の家でできたらいいな」
その長所短所、見たり聴いたりした結果
この方向に納まりました。
いくつかの建設会社、リフォーム会社
大きいトコ、小さいトコ
値段が高い所、安い所・・相談を投げかけてみました。
予算を含めて、なかなか「いいな!」と思えず3年余り
そんな
ある晴れた秋の日
目にとまった「ちいさなうおうち」
岩波の絵本が心に浮かんできました。
グレーに紺色が少し混ざった壁
ドアの水色、窓の緑
紺色のパラソルに
白の縁取りのバランスがなんともステキ。
その場を立ち去り難く感じました。
「あのおうちはなんなんだろう?」
同じく気になっている
とご近所のブルームギャラリーさんとも話題に上りました。
翌日、私は直接訪ねることに。
おうちの主は
橋本賀央さんと
お嬢さんの
はしもとなおこさん
親子でそれぞれテキスタイルのアトリエにされています。
おうちを作った人は元
grafの美術館担当だった
小西康正 さん
現在は
GMProject所属
奈良美智や三沢厚彦の
作品展示の施工をされてきました。
金沢美術工芸大の学生だった
はしもとなおこさんは
金沢21世紀美術館で奈良美智展があり
ボランティアでお手伝いをしたことから
ご縁ができたとか。
縁故がまるでない私ですが
ちいさいおうちと出会った日が
橋本賀央さんのお誕生日だったせいなのでしょうか
その日から4ヶ月半後に
キッズクラフトのアトリエ工事が実施されました。
小西さんは「セルフビルド」を推奨しています。
大量生産で作って建てて
古くなったら使い捨て
新しいものに買い替える
というのではなく
住む人自身が構造や補修の仕方を認識し
身体で覚え
家と住む人が一緒に育っていく
そうしたコンセプトを持っていることを
私は知りました。
施主(家や空間をつくりたいと考えている人)が
どんな想いをもっているのかもポイントです。
相互理解がないと
具体的にいいモノができてきません。
なので
スタート前も
スタートしてからも
どうしたいのか
カウンセリングの時間を丁寧に設けてもらいました。
キッズクラフトの活動にも参加し
アトリエの雰囲気や子どもたちの様子を感じてもらいました。
クリスマス会の魚釣りゲームの釣り竿を一緒に作り
工作好きの男の子の関心の的となりました。
梅田阪急百貨店本店のメインウインドウでの
彫刻家、三沢厚彦さんの
バレンタイン作品展示が終了した翌日から
キッズクラフト・アトリエ計画がスタートしました。
(2016年3月21日)